子どものしつけ
しつけは何故必要?
子供は判断も動作も未熟
大人は食べたり寝たり、トイレで排泄をしたりを一人で出来ますが、生まれて数年の幼児は出来ません。
でもそうした生活習慣を身に付けなければ生きていけませんから、親が教える必要があります。
私たちの行動は判断と動作で成り立っています。
でも、子供は判断の材料をあまり持っていないので、判断出来なかったり、間違ったりします。
例えばボールがコロコロ転がっていったら、ボールだけを追いかけていって、電柱があったらよける、
車道には出ないという判断がとっさに出来ません。
そんな理由で子供の事故が多いのです。
また、体の発達が未熟ですから動作の時間もかかります。
つまり判断も動作も未熟なのが子供と言えます。
食事や着替え、排泄といった生活習慣も、判断と動作の組み合わせです。
ですからどう判断するか、どう体を動かすかを、ひとつひとつ教える。
それがしつけです。時間はかかりますが、何度も繰り返し経験を積み重ねることで能力が発達し、
やがてひとりで出来るようになります。
幼児は動特性の中にいる
人間には「動特性」と「静特性」の状態があります。動特性は不安定で外からの刺激を受けやすい状態。
反対に静特性は安定して静かな状態をいいます。
一生の中で、1~6歳の子供は動特性の状態にあるといっていいでしょう。不安定だけれど、活動的で伸びしろがある時期です。
いろいろなことを経験することで外からの刺激を受け、それを処理しながら成熟していきます。
生活習慣もどんどん吸収していきます。
ただ、この状態のときは少しの変化や逆境に過敏に反応します。
時にしつけがうまくいかない事があるかもしれませんが、
子供は動特性にいるんだと理解して、あせらずにゆっくり進めていきましょう。
また、いつも動特性の状態にあるのではなく、静特性の状態もあります。その様子をよく見てあげましょう。
お母さんは教授法を考えて
生活習慣を身に付けさせようとするとき、お母さんがイライラするのは、教授法を持っていないからではないでしょうか。 「この子はどうやったら出来るようになるかな」と、教える楽しみを是非持って欲しいと思います。 どんな教授法でも構いません。 着替えを教える時は歌を歌うとか、お片づけをする時はじゃんけんをするとか工夫してみましょう。 子供は、させられていると思うとイヤになるので、親子で楽しんでやれる教授法をあみだしてみます。 どっちが先に着替えるかなど競争したりゲームをすると子供は頑張ったりします。
しつけは社会に出るお稽古
しつけは、こどもが自立出来ることがひとつの目的ですが、
社会で生きていけるようにするという目的もあります。
例えば集団の中で、いつまでも玩具を独り占めにしたり、順番などのルールを守らなかったら友達と遊べません。
公園や幼稚園など社会は、ハレの舞台と思いましょう。将来的には会社も舞台です。
そこに行くことは「デビュー」。そして舞台でちゃんとちゃっていけるように家でお稽古する。それもしつけと考えてみましょう。